グローバルメディア『おたく:人格=空間=都市』に行ってきました(前編)

 幾つかのメディアで紹介されていた、ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館「おたく:人格=空間=都市」の再現展示に行ってきました。場所は恵比寿の東京都写真美術館。兼ねて某掲示板のオフ会でもあったのですが、土曜早朝アニメを見るために徹夜さらにそのまま東京に向かったためかなりヘロヘロな状態で参加してしまい申し訳ありませんでした。ちなみに紅さん、二十六歳童貞さんと会うのは今回が初めて。
 テレビでも紹介されたこともあってか(土曜日だし)入場数は多く、暫く待ち。展示では「萌え」や「ぷに」、「へたれ」に「やおい」など「おたく」と関連の強い用語の説明が書かれていましたが、その奥には「百聞は一見に如かず」と謂わんばかりに二次元で埋め尽くされていました。それらを解説しながら手持ちの機器に録音していくけたーろーさんは流石。好きなものは好きだからしょうがない
 例えば原宿や渋谷のように、服を扱う店の集まる街にファッションを求める若者が集まった・・・のとは逆に、おたくという"人格"が現在の秋葉原という"都市"を形成した、という現象をテーマに据えて展示されていました。電気街からおたくの聖地、つまりハードからソフトへの変遷、変貌。どちらかといえば、「機動戦士ガンダム」に代表されるような旧世代のおたくよりかは、「新世紀エヴァンゲリオン」以降の新世代のおたくの現状に焦点を当てているような印象を受けます。さらにそれは二次元美少女と切っても切り離せない関係にある・・・ということで展示は美少女ゲームショップをモデルとして作られたそうです。よってポスターが天上天下に貼り巡らされている、と。メイド喫茶に関しては触れられていませんでしたね。
 結構期待していたオタクの部屋はちょっと期待外れ。確かに凄いのだけれど、威圧感が無い。あの中の一つでも実物をそのまま持ってきたら強い説得力があったと思います。シスプリ部屋も面白そうですけれど個人的にはAV機器の充実してたおたく部屋きぼんぬ、ということで。サンプル数はそこまで多くはないけれどおたくの部屋をある程度まとめて公開してみるという試みはこれまでになかったので、資料的価値はあるのではないでしょうか。
 展示場内の色遣いは白を基調として展示も整然としており、一般人がおたくに見る「不気味さ」の低減には役立っていたと思いました。模型の秋葉原を見せたり、おたくの部屋を見せることで、理解することはできないだろうけれど少しでも知ることはできる。いきなり秋葉原に特攻しておたくをヲチするみたいな敷居の高さを取っ払ってみたという点では、成功だったと思います。テーマ自体は真面目なのですから。